ALTOLIVELLO スタッフBLOG

イタリアワイン専門インポーターALTOLIVELLOスタッフの日々の日常を綴るBLOGです。皆様に美味しいイタリアワインを飲んでいただく機会を増やすべく、日々営業中!

■giorgioの南イタリア紀行2013 vol.11

2013年も間もなく終了ですが、半年前の南イタリア紀行。
秋からの繁忙期で、完全にストップしていました。
続きは来年書くつもりでいましたが、どうしてもこのネタだけは
今年のウチに書いておきたかったので、頑張ってUPします。
昨年の秋に、FERROCINTOのルイージが来日したときに、
「ウチの近くのワイナリーで、美味しいヴィーノドルチェを造ってるから
 サンプル持ってきてやったぜ!」
と、1本のモスカートパッシートをお土産でくれました。
そのワインが、今日のネタである

MOSCATO DI SARACENA CANTINE VIOLA

でした。
テイスティングしたその時の驚きと言ったら。。。
兎に角、美味い!
ハチミツと化してしまったようなトロトロ感と、優しい味わい、
余韻は長いのに、甘ったるくない軽快さ。
喜びと同時に。。。
「きっと高いんだろうな~」と思いましたよ。

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年が明けて今年の春、VINITALYでVIOLAのブースを訪問。
サラチェーナとは、サラセン人の作った村で、その村の農家で伝統的に
造られてきた地酒こそが、MOSCATO DI SARACENA
であると言う事。
そして、このワイン、ただのモスカートのパッシートではなくて、
非常に興味深い製法である事をVIOLAファミリーから伺いました。

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中央がオーナーのルイージ=ヴィオラ氏
左が長男で畑を担当するアレッサンドロ氏
右が弟の営業担当クラウディオ氏

このVINITALYのブースで聞いたワインの製法、ちょっと信じられなくて、
完全に言葉を聞き違えちゃっているんだろうな。と思ったので
今回のワイナリー訪問で、全てが明らかになる。
と、モスカート ディ サラチェーナ ミステリーツアーが始まったのです。


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カラーブリア州コセンツァ県、フェッロチントのカンティーナがある
カストロヴィッラリからも10kmちょっとのところに、サラチェーナという村があります。

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まずは畑の見学から。
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ヴィニタリーの時のよそ行き仕様とは打って変って、ジモティーヴァージョンの3人。

畑の海抜は350mで、イオニア海までは約10km。西側にもポッリーノの山脈の一部が
掛かっており、頂上の標高は1400mあるそうです。
山から海へ乾燥した風が吹きぬける場所に畑は在ります。
モスカート サラチェーナに使う葡萄はモスカートだけではなく実は3種類。

モスカテッロ
ガルナッチャビアンカ
マルヴァジアビアンカ

IMG_6322.jpg
これは、実が付き始めたモスカテッロ

合わせて2haの畑があり、
モスカテッロが40%、他2種が合わせて 60%植えられています。
畑は全て有機栽培で、BIOAGRICERT の認証を取っているそうです。

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畑からさらに登った町の中に小さなカンティーナ(作業場?)は在ります。

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自宅の1Fがカンティーナになっており、収穫されたモスカートはこの棚で
陰干しにされます。

そして驚くのが次に出てくる写真。

IMG_6331.jpg
そう、寸胴です。
先ほどにも書いたように、モスカート ディ サラチェーナはモスカート以外にも2種類の葡萄が
使われます。
ガルナッチャビアンカとマルヴァジアビアンカ。この2種類に葡萄は収穫後
トルキオ(昔ながらの絞り器)で絞られて、
寸胴の中に入れられます。
このモスト(葡萄汁)を弱火で1/3の量になるまで煮詰めます。
そのモストの中に、陰干ししたモスカートを投入して
自然に醗酵するのを待つそうです。

昔、農家で作られていたころは銅の鍋で煮詰めていたそうですが、VIOLAでは
ステンレスの寸胴を2重にして、モストが焦げないように細心の注意を払います。

IMG_6333.jpg
ん~。日本人にはどうしてもラーメン屋さんの什器に見えてしまいます。


ルイージ氏(フェッロチントのルイージとは、別ですよ。)はもともと学校の先生。
サラチェーナはサラセン人(アラブの人達)が作った町。
紀元後10世紀に彼らが渡って来て、独自の葡萄でワインを作り始めたのが最初と言われていて、
各家庭に伝わったそうです。
モスカテッロ、ガルナッチャという呼び方も、そういった経緯によるものだそうで。
農家だったルイージの家でも代々作っていたのですが、次第に街も高齢化。
若い人も街を出て行き、この酒を作る家も減ったそうです。
1950年代までMAZZIOTTIという会社が有り、製品化していたのですが、
後継が居なくて廃業してしまったそうです。
このままでは伝統的な地元の酒が無くなってしまうと危惧したルイージが1998年に一念発起。
自分でワインを製品化して販売しようと決めます。
作ったワインを2本、ローマのガンベロロッソに持って行ったところ、
かなり興味を持たれて、いきなり2ビッキエーリ。
スローフードを始め、注目されるようになりました。

絶滅寸前の希少価値の商品に与えられる
SLOWFOOD PRESIDIOの認定も受けています。
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とにかく、このワインの伝統を守る為に、自分の生涯を掛けてしまった
ルイージさん72歳。息子達にもこのまま
この伝統を伝えていってもらいたいものですよね。
5000本ほどしか生産されない手作りワインですが、
見つけたら、是非手に取ってみてください。
Viola-passito.jpg

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  1. 2013/12/27(金) 20:20:25|
  2. giorgio
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