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ALTOLIVELLO スタッフBLOG

イタリアワイン専門インポーターALTOLIVELLOスタッフの日々の日常を綴るBLOGです。皆様に美味しいイタリアワインを飲んでいただく機会を増やすべく、日々営業中!

イタリアワインのA Te!vol.5 Il Mondo del Magliocco

IL MONDO DEL MAGLIOCCO2
はい、GIORGIOでございます。
さて、何とかVol.5まで来ました イタリアワインのA・Te!
国内の感染拡大は、ひとまず落ち着きを見せたものの、まだまだいろいろな意味で不安な毎日が続きます。
それでも、イタリアワインの生産者のため、我々はワインの流れを止めることなく、少しずつでも動いてまいります。

IL MONDO DEL MAGLIOCCO
そうです。今日はマリオッコのお話です。
でたでた、マリオッコ。そうなんです。わたくし、自他ともに認める、年間に”マリオッコ”という言葉を
日本人で一番発しているという自負がございます(爆)
この5年ほどで、日本でも、というか、私の周りの業界の方で、「マリオッコ」という言葉を発しても、
「ああ、ウチの彼女が好きでね。可愛いですよね。フィンランドの…」とか
「北海道土産としては鉄板と思いましたが、最近見ないですよね。」とか
言われることも減り。
「フェッロチントのですよね。」とか、
「マリオッコって、アルトリヴェッロさんでしたよね?」とか
※厳密にはマリオッコはアルトリヴェッロさんのものだけではないのだが。。
随分と認知度が上がってきたものです。
FERROCINTOのワインを初めて日本に入れた2011年には、カラブリアといえば
CIRO DOCのLIBRANDIくらいしか知られていなかったし、実際自分も知りませんでした。
CIROといえば、ガリオッポ種の聖地。
当然、カラブリア州のメイン品種といえば、ガリオッポという認識で、
トスカーナ州のそれがサンジョヴェーゼあるのと同じくらいのイメージを持たれていたと思います。
かたや、マリオッコといえば、それこそLIBRANDIのMAGNO MEGONIOというワインが
在り、というかそれしかなく、
絶滅に瀕していた葡萄をLIBRANDI社が復活させた!的な触れ込みだったと思います。
専門書にも、マリオッコはガリオッポの亜種である。と書かれていたり、実際かなり
情報の少なかった品種であります。

FERROCINTOとMAGLIOCCOのお話
この話はウチのスタッフとか闘うワイン商とFERROCINTOのワインを飲み交わしたことがある方ならば
おそらく、「耳タコ」のような話だと思うので、話は繰り返しになるのですが、FERROCINTOとの最初の出会いは
2010年のVINITALYで、MONCHIERO CARBONE創業者にして、エノロゴのマルコ=モンキエロ氏
(お馴染みフランチェスコ=モンキエロのパパですね)から、半ば強引に
「旨いカラブリアのワインがある。興味あるだろ、付いて来い!」と言われて、カラブリアのブースに
初出展したFERROCINTOのブースへ行ったのが切っ掛けです。

IMG_4614.jpg
左2人がFERROCINTO創業ファミリーのルイージとフェデリコ
中右がパレルモ大学卒で、醸造家のステファノ=コッポラ
右 マルコ=モンキエロ

POLLINO.jpg
ポッリーノ山脈の峰の名前は、FERROCINTOのワインの名前にもなっていますね。

FERROCINTOワイナリーは、カラブリア州北部のコセンツァ県
バジリカータ州との州境にそびえるポッリーノ山脈
1993年に国定公園に認定されたIl Parco Nazionale del Pollino(ポリーノ国立公園)
の麓カストロヴィッラリという街で生まれました。
酪農や果樹園、ワイン用葡萄園を営む農業会社CAMPOVERDEグループのオーナーファミリーであるノラ家と、
カストロヴィッラリでTENUTE FERROCINTOという別荘を代々所有してきた貴族系のサリトゥリ家
の結婚により、サリトゥリ家が代々所有する最高の畑の葡萄でワイン作りを企てたのが始まり。
2001年からプロジェクトはスタートし、パレルモ大学に調査を依頼します。
コンサルタントとしてマルコ=モンキエロ氏、専属エノロゴ、コッポラ氏。が携わりました。
マルコ=モンキエロは、カラブリアに在りながら、標高が高く寒暖差と適度な降雨量がある
この地域にポテンシャルを感じたと言い、このプロジェクトへの参加を決めます。




もともと、カラブリアには1960年代に制定されたDOCが在りました。

CalabriaDOCVecchio.png

右の一番上のピンクのエリアがCIRO DOCです。チロマリーナで有名な沿岸部。当然ここはガリオッポ種の聖地です。
そして、北部コセンツァ県にも7つのDOCがありましたが、DOCとしてワインをリリースしている
ワイナリーは殆ど無く、そして、このコセンツァ県のDOCでも認められている葡萄はCIROと同じガリオッポ種でした。
沿岸部のチロマリーナと、コセンツァ県の標高500m近い山岳地帯でも同じ品種。
土壌調査の結果、晩熟のガリオッポ種は、カストロヴィッラリでは11月まで待たないと収穫が出来ない。
とのことですが、この時期には雨季が来てしまいます。
そこで、さらに調査を進めると、古くからこの地ではマリオッコ種が栽培されていたのだが、州政府の方針で
効率優先のガリオッポ種に植え替えが進んでしまい、気づけばマリオッコは忘れ去られた
「古代品種」とも呼ばれる存在になってしまった。というわけです。
そこで、FERROCINTOのプロジェクトでは、このマリオッコ種を主軸に進めることとし、早速2001年から
植え替えが始まりました。

IMG_6285.jpg

IMG_6280.jpg

IMG_6282.jpg

自然だらけのカストロヴィッラリ

FERROCINTOの在るコセンツァ県カストロヴィッラリは自然の宝庫
2つの海 ティレニア海、イオニア海
3つの山脈 ポッリーノ山脈 シーラ山脈 アスプロモンテ山脈
の影響を受け、独特のミクロクリマを生み出します。
シーラ山脈は冬はスキーもできますし、狼の自然保護区にもなっています!


magliocco-1.png

FERROCINTOの最初の作品 MAGLIOCCO IGP


2007年ヴィンテージから FERROCINTOとして、ワインをリリース。
記念すべきマリオッコ第1号はこのIGPマリオッコです。
このヴィンテージから日本に輸入させていただいているのは光栄なことですが、これはまだプロジェクトの
第一歩でした。
DOCとして認められないマリオッコ種を使っているので当然IGPでのリリースですが
これから数年のマリオッコIGPの実績と、土壌での調査を州政府に報告。
コセンツァ県の産地が一丸となって、新しいワイン作りに向かうための新しいDOPの作成を
提案します。

Terre di Cosenza Bianco
DOP TERRE DI COSENZAの誕生
2011年に、ついに新しいDOP TERRE DI COSENZAが誕生。
コセンツァ県のDOPを統廃合し、TERRE DI COSENZAというDOPが誕生しました。

calabria-dop.jpg

非常にシンプルな図になりましたね。そして、注目すべきはそのメイン品種。
ロッソに関しては、マリオッコがメイン品種として認められ、DOP TERRE DI COSENZAは
マリオッコを中心としたDOPとして生まれ変わったのです。

piramide_sottozone.png

Sottozona.jpg
さらに、広大なTERRE DI COSENZA DOPの中に7つのSOTTOZAONA(サブゾーン)が制定。
FERROCINTOの在る最北部のカストロヴィッラリはPOLLINOのゾーンに属します。

POLLINO ROSSO TERRE DI COSENZA DOP MAGLIOCCO
そしてFERROCINTOもこの2011年から最良の畑の葡萄で作るDOPレンジのワインをリリースします。
サブゾーンの名前が入った
POLLLINO ROSSO TERRE DI COSENZA DOP MAGLIOCCO
です。
世界で初めてのマリオッコ種を使ったDOPワインです。
tdc-rosso-1.png

このようにして、最初のアイデアから10年以上をかけて、やっとマリオッコが世界に向けて発信され始めました。
海のガリオッポ種に対して、山のマリオッコ。
カラブリアという小さな州で、一括りにされがちな事柄ですが、起伏に富んだ地形ならではの
細かい特徴を、今後も伝えていきたいですね。

白ワインもおすすめのTERRE DI COSENZA


今日はマリオッコの話でここまで引っ張ってきてしまいましたが、
白葡萄では、グレコビアンコやマントニコがこの地域の代表品種。
FERROCINTOでは、
IGPのTIMPA DEL PRINCIPE グレコビアンコ&マントニコ
そしてPOLLINO BIANCO TERRE DI COSENZA DOPは、マントニコ100%で作られます。
寒暖差を生かした薫り高く瑞々しい白ワインとして地元ではかなり人気です。

timpa.png
tdc-bianco.png

更なる古代品種の研究
この20年でコセンツァ県でのポジションを確立したマリオッコ。
実は、マリオッコにはマリオッコ=ドルチェ と、マリオッコ=カニーノ
と呼ばれるクローンが有ることが近年わかっています。
そして、間もなく、法律的に別の品種として、それぞれの品種表記が認められるようになります。
そして、FERROCINTOは、コセンツァ県の葡萄農家と協力し、農家に古くから在る葡萄の調査を行い、
200種類にも及ぶ品種を発見したそうです。
そのうちポテンシャルがあると思われる50種の葡萄のクローンを試験農場で栽培、研究をしています。
いつの日か、マリオッコに続く、地場品種が生まれるかもしれませんね。




今回も長々とした文をお読みいただき有難うございました。
今日ののサービスショット
IMG_6361.jpg
左:FERROCINTOの若社長ルイージ=ノラ
右:シチリアの醸造家ステファノ=コッポラ

完全に、確保された宇宙人状態の私ですが。。。
この3人同い年です。。。。(爆)


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  1. 2020/06/06(土) 03:53:44|
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